辰巳芳子のリンゴジェリー ~ターシャ・テューダーのリンゴジャムに思いを寄せて~
一昔前、ターシャ・テューダーをテレビ番組で観たとき、草花が瑞々しく輝く美しい庭と、思うままに暮らすその様に魅了されました。
ちょうど受験を控えた、余裕のない10代でしたが、心がじんわりと、温かくなっていったのを覚えています。
彼女や庭についての本を手にいれ、時折見返しては、その世界感に心地よく包まれる時間を過ごします。
- 作者: ターシャテューダー,Tasha Tudor,Richard W. Brown,食野雅子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
- 発売日: 2005/05/31
- メディア: 単行本
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テレビ番組が四季折々の庭の姿や暮らしぶりを映し出す中で、秋のシーンでは、みつろうろうそくを作ったり、リンゴのジャムを作ったりしていました。
そのジャムの美味しそうなこと。
一度だけ、番組の見よう見まねで作ってみたものの、全く似ても似つかぬ代物が出来てしまいました。それはそれで美味しくいただきましたが、あの透明感のある、蜜のようなジャムはどうやったら作れるのだろう?
あのジャムを一度でいいから食べてみたい。
私の密かな願いが、ぽっと生まれました。
遂にレシピを発見
長年の願いが、10年の歳月を経て、ようやく叶うチャンスがやってきました。その道筋を与えてくれたのは、「辰巳芳子の旬を味わう」辰巳芳子著でした。
積年の願いを叶えてくれそうなレシピは11月「リンゴジェリー」。
私の記憶のなかで、ターシャ・テューダーは、まず鍋に砂糖とリンゴを入れて煮込み、次に布で濾したら、リンゴ本来がもつペクチンでジャム状になる、というもの。
辰巳芳子さんのこのレシピは、この一連の動きが近い気がしました。そして、このはちみつのような仕上がり!
リンゴジェリーに挑戦
肌寒い季節になると、りんごも安く出回ってきます。その時期に、りんご・布・鍋・砂糖を準備して、チャレンジしました。
(1)りんごを煮詰める
辰巳風レシピは、りんごを皮もむかずにそのまま煮詰める、というもの。
ターシャ風レシピでは、りんごの皮をむき、適当な大きさに切り、砂糖を加えて煮詰めていましたから、仕上がりはちょっと違うかも。
指定のりんごの個数と、水の分量、鍋の大きさがあわないらしく、水に浸らないりんごがいました。水を増やすべきなのかどうか迷いましたが、今回はレシピどおりの分量えいくことに。煮詰めている間、りんごちゃんを回転させながら全面に火が通るようにしました。フニフニになったら、全部の子を鍋に並べられました。これでよかったのだろうか…。
煮詰めている間、鍋からりんごのいい香りが漂います。
(2)りんごを濾す
ふにゃふにゃになったりんごを、一晩かけて濾します。
びっくりするほど少量のソースが完成。色はほんのり温かみのあるオレンジのような色。
果たしてこれで合っていたのだろうか。りんごを少しけちったのが良くなかったのか?はじめの水分が少なかったのか?と不安になりながらも次のステップへ。
(3)りんごソースに砂糖を加えて煮詰める
びっくりするほど少量のソースに砂糖を加えて、弱火にかけて水分を飛ばすと、徐々にトロトロになっていったかと思ったら…。
(4)完成
驚くほどプルップルのリンゴジェリーが完成!透き通ったガーネット色のジェリー。美しいです。
(5)追加:絞りカスのりんごでジャムづくり
絞りかすが結構残ってしまいました。皮や種を一つ一つ取り除き、砂糖を加えて煮詰めると、リンゴジャムっぽい美味しいものが完成。
リンゴジェリーとリンゴジャムの完成です。
どちらもとっても美味しい。パンにつけたり、ヨーグルトにかけたりして、いただきます。手塩にかけた分、可愛い。
ターシャ・テューダーのジャムを食べたいという夢がかなったような、かなってないような。もうちょっと工夫の余地がありそうです。